WEBアクセシビリティについて
前回お伝えした「新紙幣とユニバーサルデザインについて」の話から、今回は「WEBアクセシビリティ」についての話をしたいと思います。
一見すると関連が無いように感じるかと思いますが、この「ユニバーサルデザイン」と「WEBアクセシビリティ」の向上の目的には、「誰もが理解しやすく表現する」という点が共通しています。
【より多くの人が情報に繋がりやすくなるために】
今年4月1日から障害者差別解消法が改定し、事業者に対する努力義務が義務へと変更になりました。インターネットや通信網などの通信サービスは、今や生活インフラの一つとなっており、WEBサイトでも同様に、障害の有無関係なく、どんな人でも情報にアクセスしやすい、発信方法に配慮が必要になります。デジタル庁からの導入ガイドも公開され、8か月が経った現在では、地方自治体やホワイト企業などの大企業などは、すでに導入が進められています。
【障害のある人への合理的配慮】
では、小規模な今までのサイトでも、全てデジタル庁が展開している導入ガイドチェックの項目通りに修正や改定をしていくのか?と、なると膨大な作業コストがかかります。そのため、生活の中にあるバリア(障壁)を取り除くため、何らかの対応が必要となる場合には、企業や担当者へ負担が重すぎない範囲で、ゆるやかに時間をかけて対応することが推奨されています。
【導入を進めていくための改修の具体例】
まず初めに、視覚や読解に関する配慮は導入がしやすく、まずは問題の洗い出しをすぐに始められ、サイト見直しの指針にする事ができます。
・自動で開始される動画>ストップボタンを追加する
・視覚動作が多すぎるページ>動きを少なくする
・スライド式のコンテンツ>停止ボタンを追加する
・文字が小さい>最小フォントサイズを改定・見直す
・読みにくいデザインフォント>UD(ユニバーサルデザイン)フォントに変更する
・次項へ遷移するための「MORE」ボタン>表記を「さらに詳しく〇〇を読む」の言い回しに変更する
など…
【WEBアクセシビリティ向上のメリット】
改修や対応に戸惑うこともあるアクセシビリティですが、向上させていくことには3つのメリットもあります。
1)バリアフリー化により、たくさんの方へ発信する事ができる。
2)文字サイズSEO対策にも有効
【過去の記事】実は大事!?ユーザビリティとSEO
【過去の記事】 フォントサイズはSEOに影響する!?
3)公共事業や大企業にはすでに対応が始まっているので、企業価値・ブランドの向上(ブランディング)になる。
【“良いデザイン”とは】
「ユニバーサルデザイン」の理解や「WEBアクセシビリティ」の向上を進めていくと、必ず頭を悩ますのは「自由なデザインの幅」になります。
しかし、デザインのふり幅にばかりとらわれて、理解しにくいものを作ってしまうのは、良いデザインとはなりません。多くの人が情報へアクセスしやすくなる事に社会インフラの意義があるのであれば、その幅の中でデザインを工夫していく延長線上に「良いデザイン」の答えがあると考えるといいですね。
以上、「WEBアクセシビリティ」についてご紹介しました。次回はアプリにおける「UDフォント」についてご紹介いたします。