COLUMN

コラム

新紙幣とユニバーサルデザインについて

2024年7月3日から新紙幣が登場して2か月が経ちますが、みなさまはお手にされたでしょうか?非接触を推奨する時代の流れから、キャッシュレスが進みゆく中、紙幣一新の必要性を考えたこともあるかと思います。そんな新紙幣をデザインの視点で、メリット・デメリットを見てみましょう。

■メリットは偽装防止だけじゃない!「ユニバーサルデザイン」がブラッシュアップ

細密な肖像画と3Dホログラムは、高度な印刷技術によって偽造されないようにするためのものです。しかしキャッシュレス化が進むのならば、偽造をそもそもしないのでは?と疑問が出ますが、新紙幣には、偽造防止の他にも役に立つ「ユニバーサルデザイン」が施されています。

■誰一人取り残さない、そのためのユニバーサルデザイン

旧紙幣にもお札のサイズが違ったり、溝がついていたりと目が不自由な方のための仕組みがありました。しかし旧紙幣が登場したのは約20年前です。

  • 考え抜かれたUDフォント

今回新紙幣に施された新しいデザインや仕組みは、ディスレクシア(読字不全)の方が判断しやすいようにUDフォントを使用しており、さらに「1万円札」と「千円札」の区別がつくように、あえてアラビア数字「1」のフォントを区別するように加工しています。

  • 日本語が分からない方にも使いやすく

さらに、アラビア数字を使用する事で、日本語を読むことができない方が容易に使用する事に貢献しています。

  • ユニバーサルデザインのデメリット

しばしばデザインの幅が制限されてしまうのがデメリットとも言えます。しかし、インフラと深く関わるデザインは、「誰もが使いやすい」を目指す社会にはとても重要で、柔軟に考えていきたい課題になります。

以上、新紙幣とユニバーサルデザインについてご紹介しました。

次回は、ユニバーサルデザインに深くかかわるWEBアクセシビリティについてご紹介いたします。

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